Q 自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを作成したらよいですか?
A 自筆証書遺言と公正証書遺言は、数ある遺言書の方式の中でも一番ポピュラーな方法です。どちらの方式で遺言書を作成しても、被相続人の死亡と同時に効力が生じるという効果は同じです。しかし、それぞれにメリットとデメリットがあります。詳しくは「遺言書作成」の「6 自筆証書遺言と公正証書遺言の違い」をご覧いただきたいのですが、私が個人的に重要と考えているポイントがあります。それは、検認の有無です。自筆証書遺言は、不動産の名義変更や預貯金の解約などの相続手続きを行う際には、家庭裁判所で検認の手続きを受ける必要があります。この検認の手続きを行うためには、相続人を確定させるための戸籍謄本一式を集める必要があり、これに時間がかかる場合があります。また、検認を行うことは相続人全員に家庭裁判所から通知が送られますので、遺言書の存在及びその内容を相続人全員に知られてしまうということも考えておく必要があります。
一方、公正証書遺言の場合には、公証人という法律の専門家が作成に関与していることから、家庭裁判所での検認手続きは不要とされています。つまり、遺言者が亡くなり相続が発生すると、相続人はすぐに公正証書遺言を使って相続手続きに移ることができます。これはとても大きなメリットだと思うのですが、いかがでしょうか。