Q 相続の手続きには、なぜ被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要なのですか?
A 亡くなった方の相続人が誰なのかということを公的な書類によって確定させるためです。
不動産の名義変更や預貯金の解約などの相続手続きでは、遺言書があるなどの場合を除き、相続人全員の署名と実印を押した遺産分割協議書が必要となります。
ここで重要なのが、遺産分割協議は「相続人全員」で行うということです。なぜなら、一人でも相続人が欠けた状態で行った遺産分割協議は無効となってしまうからです。
相続人が誰なのかを確定させるためには、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸(除)籍謄本を確認する必要があります。そうすることで、亡くなった方の配偶者は誰か、子どもは何人いるか、前妻との間に子どもはいないか、認知や養子縁組はしていないか、代襲相続は発生しているか、などを確認していきます。
この仕事をしていると、年に1,2回は、戸籍をとってみて、ご家族が知らなかった相続人がいることが判明した、ということがあります。有効な遺産分割協議をするためには、この相続人にも協力を仰ぐ必要があります。
このように、戸籍謄本を集めて相続人を確定する作業は、相続手続きの基本であり、根幹でもあります。ですが、実際にもれなく必要な戸籍を収集するのはかなり手間がかかります。戸籍の収集でお困りの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。