Q 認知症の母の後見人に長男である私がつきたいのですが、可能でしょうか?
A 成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てる場合には、その申立書の中に後見人の候補者を記載しておくことができます。つまり、母の後見人に長男を選任してほしいと家庭裁判所に申し立てることは可能です。しかし、誰を後見人に選ぶかということは、すべて裁判官の判断にかかっています。ですので、裁判官が、後見人には候補者より別の人のほうがふさわしいと判断すれば、その人が選ばれます。そして、一度後見人が選任されてしまうと、「私が後見人になるつもりで申し立てたのに、選ばれた後見人は気に食わないので、申立を取り下げます。」ということは許されません。ご本人に後見人が必要だということには変わりはないので、候補者が選ばれなかったという理由だけでは取り下げはできません。
近年は、ある程度の流動資産をお持ちの方や、親族間でトラブルがある方などの後見人には、司法書士や弁護士といった専門家が選ばれるケースが多くなっています。なので、必ずしも候補者が後見人として選ばれるわけではないといったことも踏まえて、申立をするか否かを検討していただければと思います。